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1:極・魔導狂い
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2017/05/27 (Sat) 23:03:01
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倉山先生が主に理数系の授業をするという内容
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2:極・魔導狂い
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2017/05/27 (Sat) 23:50:36
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10進数編
ここは極・魔導学校2年B組。数学が苦手な2人の生徒に倉山が補習授業をしている
「今日は進数という概念を覚えてもらうわよ」
田中、鼻を鳴らして倉山に突っかかる
「進数?何じゃそりゃ、加法と減法(足し算・引き算)の話じゃねえのかよ」
倉山、田中に向けて銃を発砲する!
「うおおっ、何すんだこのババア!」
「いいから黙って聞きなさい。脳天ぶち抜かれたくなかったらね」
増田がボソッとこうつぶやいた
「教師の前に人間として致命的な欠陥があるような気もするが・・・」
「何か言った?」
倉山に睨まれたので増田は知らん顔を決め込んだ
「私達が普段数を数える時は10進数という表記を使っているのよ」
「10進数?」
眉をひそめる田中を無視して倉山は黒板にガリガリ書き始めた
7 × (10)^0 = 7
「この(10)^0というのは1の位を意味していて、(10)^0 = 1となるのよ」
「ちょっと意味が分からねえなあ。その"^0"ってのは一体何なんだよ」
倉山はまた黒板にガリガリ書き始めた。ガリガリ君が食べたくなってくる田中であった
「これは指数って言ってね。通常どんな数でも7^1 = 7という風に表す事ができるのよ」
「それだけじゃあ、全く分からねえ!大体0を1に変えられたところでますます分からねえ!」
倉山はため息をついて黒板に(略)
7^2 = 7 × 7
「これなら分かるでしょう?」
「おお、それなら分かるわ。7が2個あるから"^2"、さっきのは1個だから"^1"。なるほどな」
そこですかさず増田がMURばりに話に割り込んで来た
「お、ちょっと待てい。それで"^0"が1になるのが意味不明だゾ。ちゃんと説明しろ」
「増田君。実はね、どんな数字にも1がかけられていて数として成り立っているのよ」
「は?そんな隠しルールがあったのかよ!?」
7^1 = 7 × 1
「こんな風にね。1はどんな数字にも必ずかけられているものなのよ」
「確かに九九やってた時に"1の段とかいらなくね?"って思ってたけどこういう事だったのか」
「ふぁえ~、すっごい意外・・・」
納得する2人に背を向けて倉山は黒板に(略)
7^0 = 7を0回だけ1にかける ⇒ 1
「で、7を0回1にかけると言うのはそもそも1に数字をかけないって事で答えが1になるのよ」
「ああ、そう言う事だったのか。だからこいつは1になっちまうのか。なら(10)^0 = 1も成立するわけだ」
「話を戻すわよ。さっきは7 × (10)^0 = 7、つまり7 × 1だったけど今度は19を10進数で表記してみるわね」
19 = 1 × (10)^1 + 9 × (10)^0
田中はここである事に気付いた
「あ、そっか・・・。十の位で表されてる。だから10進数ってわけか。」
「そうよ。これだと10と9に分けられているでしょう?」
増田もうんうん、と頷いていた
「確かに一の位は"^0"と表すのも納得だ。10がかけられていないからな」
「さて、百の位の表記はこんな感じ。覚えてしまえばすごーく簡単よ」
983 = 9 × (10)^2 + 8 × (10)^1 + 3 × (10)^0
「100 = 10 × 10 = (10)^2って事だから田中君、千の位はどうなる?」
「えーと、10がまた一つ増えるから1000 = 10 × 10 × 10 = (10)^3だ!」
倉山は1万円を取り出して田中達に見せた
「そう。つまり世の中はこの10進数を基準にして色々な物事を円滑に進めているってわけ」
「結局金の話かよ!」
「それぞれの数字の位を足し合わせる事でその合計数になるのが今回のミソだな。小学校でもやった気がするが」
増田の締めに言い返す言葉が見つからない倉山と田中であった
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3:極・魔導狂い
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2017/05/28 (Sun) 11:49:22
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2進数編
「10進数では0から9までの10個の数を扱ったでしょう?」
倉山が当たり前の事を言い始めたので、田中はそっぽを向いた
「だから何だよ。10個の数を扱うから10進数だなんて言いたいのか?ナメてんじゃねえぞ」
「まぁそれもそうなんだけど今度は2個の数を扱う2進数と言うのをやるわよ」
田中は"何言ってんだこいつ"みたいな顔で倉山を見ていた
「2個の数しか数えられないなんてどう考えても不便じゃないか。何のためにそんな事するんだ」
増田の意見に同調した田中は倉山をまくしたてた
「お前でたらめな事教えて俺らを混乱させようってんじゃねえだろうな!」
倉山は何も言わずに田中の足元に銃を発砲!
「バカねえ、あなた達は。デジタルって概念の根幹にはこれが密接に関わっているのよ」
震える田中に背を向けて何事もなかったように黒板にガリガリ書き始めた
「スイッチにはOnとOffがあって、これを1と0で表現するのよ。つまり0と1を使って数を表現するのが2進数」
「じゃあ、機械の中では大量に0と1を数え上げてるって事かい?」
増田の発言に倉山は頷いて、黒板にガリガリ(略)
3 = 1 × 2^1 + 1 × 2^0
「10進数で書いた式と比べて見て。これで1 + 1 = 11と2進数では表せるのよ」
田中は気を取直して倉山に質問をした
「ちょっと待てよ、4とかだったら4 = 1 × 2^2 + 0 × 2^1 + 0 × 2^0で1だけになっちまうぜ。これじゃダメだろ」
「田中君、そういう場合はね、1 + 0 + 0 = 100と表記する決まりになっているのよ。よく考えてみなさい」
"10進数でもそういう風に表記はする"と言わんばかりに黒板ガリガリ
20 = 2 × (10)^1 + 0 × (10)^0 ⇒ 2 + 0 = 20
「あくまでこの"+"は純粋な加算を行う記号ではない表記である事を理解してちょうだい」
「あ、そっか・・・。ただ数字をくっつけてるだけなのか」
増田は何か腑に落ちない顔をしていた
「でもそれじゃ巨大な数を表現するとき、大変な数の1と0が並ぶじゃないか。4でも100なら64ならどうなるんだ?」
64 = 1 × 2^6 + 0 × 2^5 + 0 × 2^4 + 0 × 2^3 + 0 × 2^2 + 0 × 2^1 + 0 × 2^0
「つまり1 + 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + 0 = 1000000となるわね」
「ぎゃああああああ!64でもうそれなのかよ!」
驚く田中に倉山は意地悪な質問をした
「もし日々の生活で数を数える時こんな表記だったら田中君はどうする?」
「どうするって・・・考えるのをやめるわ!やってられるか、こんな数え方!」
増田もうんうん、と頷いた
「最初に0から9までの数字を作ってくれた人に感謝だな・・・」
「でも機械はこれを高速で処理できるのよ。機械の強みはこんなものを高速で計算できる能力にあるわね」
田中はため息をついた
「やっぱ機械はすげえな・・・。俺なんかじゃ到底無理だわ」
「田中君は自発的に考えて行動できる脳みそがあるじゃない。それはまだまだ捨てたもんじゃないわよ」
倉山に褒められたと思ったのか田中は照れていた
「いやぁ、それほどでもないっつーか・・・」
「じゃ、今日はこれでおしまい。お疲れ様でした」
倉山にあっさり無視されてしょんぼりする田中であった
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4:極・魔導狂い
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2017/05/30 (Tue) 22:22:24
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16進数編
「今日は16進数をやるわよ」
田中がポカーンとしているので、増田がこんな事を口にした
「数字は0~9までの10種類じゃないか。後の6種類は何だって言うんだ」
「増田君、"A"、"B"、"C"、"D"、"E"、"F"の6種類のアルファベットが10種類の数字に加わって16進数になるのよ」
田中は口を開けて大笑いしていた
「く、倉山!まさか自分で考えた新しい数え方なんて言うんじゃねえだろうな!あーっはっはっはは・・・」
アホヅラで笑っていた田中の耳のすぐ横を弾丸が通り抜けていく
「例えばペイントツールのようなもので彩色を決めたい時、"00~FF"って表すでしょ?」
ガクガク震える田中の横で増田は冷静に倉山の話を聞いていた
「それじゃ2進数とは逆で文字数を減らして数をスマートにしたい時に役に立つ数え方って事かい?」
「お、おい、増田・・・。少しは俺の心配もしてくれよ・・・」
増田は田中の方を向いてこう言った
「やらせてくれるなら心配してやるぞ」
「俺が馬鹿だったよ」
そんな二人のやり取りを無視して黒板ガリガリ
A → 10
B → 11
C → 12
D → 13
E → 14
F → 15
「このようにアルファベットが数字に対応していくのよ。田中君、10はいくつかしら?」
「えーっと、1 × (16)^1 + 0 × (16)^0 = 16だから答えは16だな」
増田もうんうん、と頷いていた
「正解。ドラクエとかでもファミコンだと敵の体力が255とかに設定されてたでしょ?」
「知らねえ・・・。そうなのか?」
「俺も知らないな。ファミコンとかやった事ない」
2人に否定されたので倉山はちょっとふて腐れて黒板ガリガリ
255 = 15 × (16)^1 + 15 × (16)^0 = F + F= FF
「ほら、こんな風にファイナルファンタジーっぽくなったでしょ?」
「すまねえ。あんまFFやらんから分からねえわ」
「俺もやらないな」
倉山はブンむくれてこう叫んだ
「もういいわよ!16進数は情報分野で欠かせないものなのよ!それだけ覚えときなさい!」
そして倉山は教室を出て行ってしまった
「何であいつ急に怒り出したんだ?」
「さぁな。でも255をFFのように2文字で抑えられるのは便利だって事が分かったな」
増田の話を聞いてもまだ16進数について釈然としない田中であった
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5:極・魔導狂い
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2017/05/31 (Wed) 18:56:11
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36進数編(おまけ)
ここは田中の家。田中はある子に手紙を書くことにしました。
しかし、倉山から進数を習ったので暗号式の手紙にして出そうと考えました
「アルファベットは全部で26種類、数字は10種類だから36進数ができるのか。よし、これで決まりだ!」
田中は早速ポストに手紙を投函し(メールは使わない漢)、その数日後・・・
白地の家に田中の手紙が届きました
「あ、田中くんからだ。何だろう」
白地へ 1457771337246
「・・・何これ」
白地は悪戯だと思って手紙を捨ててしまいました。めでたし、めでたし